ハプニング

映画『ハプニング』をDVDで鑑賞。

いやもう、実にシャマラン監督らしい作品でした。
どうせすっきりする結末は訪れないんだろうなーと思っていたら案の定だし、珍しくセントラルパークなんて都会から始まったのも束の間どんどん閉じた場所に追い詰められていくし、全編を通して何かしら「いやな感じ」が続くんだけど、最後まで飽きなかった、面白かった。

評判はやっぱり賛否分かれている様子だけど、言うなれば「苦いけど美味しい食べ物」みたいな映画なんだと思います。ゴーヤ的な。
ゴーヤって多分、なんの予備知識もなかったら単に激苦い野菜だけど、「栄養豊富だし、好む人が少なからずいる」という情報を知っているからこそ、苦みの中にあるはずの魅力を求めて味わう気になれる食べ物。
僕にとってのシャマラン作品経験もそれと同じで、『シックス・センス』は普通に面白かったけど、その後『サイン』→『ヴィレッジ』と経て「こういう映画を撮る人なんだよなぁ……」という認識ができていたからこそ、『ハプニング』は不可解・未解決な部分に戸惑うことなく楽しめました。

えーと、なんで僕は映画の話を書きながらゴーヤの味ばかり思い出しているんだろう?

正体不明の脅威に襲われ続け、無数の死を目撃し、不安も恐怖もしこたま味わった末に、主人公と何人かはほのかな光明を得ることになります。
ハッピーエンドとも言いにくい結末だけど、あのいつ壊れるともしれない幸福感にはリアリティを感じました。